待っていたって、
何もはじまらないから。
くらしサポート3課は、個人のお客さまに対して、ガスを中心にガス器具や家電製品など、暮らしに関連するさまざまな商材を販売する部署。でも、配属されてしばらくは、私はガス器具の点検を中心としたアフターサービスを担当していました。お客さまの日々の安心に貢献できるやりがいはありますが、新規営業のように売上に直結する仕事ではありません。「営業として少しでも早く活躍したい」と意欲を燃やしていた私は、点検の場を営業のきっかけにしようと考えたんです。点検にかかる時間は、せいぜい15分程度。そのわずかな時間に、お客さまと雑談するようにしました。すると、お客さまとお話しできる時間が30分、1時間と増えていったのです。話の内容は、他愛のない日常会話。でも、そこから潜在的なニーズを掘り起こして「それでしたら鈴与商事にこんな商品がありますよ」と提案するようにしていきました。電球一つから家一棟のリフォームまで、幅広い商材を扱う鈴与商事だからこその営業。おかげさまで新たな取引が生まれ、さらには他のお客さまを紹介していただけるようにまでなりました。
すぐに動く。正直に動く。
1年目の12月。とあるご婦人のお客さまから「ビルトインオーブンレンジの調子が悪いので、交換したい」というご相談がありました。私はすぐにご自宅に伺い、現場を調査して見積もりを提出。でも、もしかしたら他社の方が安いかもと思い、「他社と比較して、当社の方が安ければ我々を選んでください」と言い添えしました。結局その仕事自体は白紙になってしまったのですが、私の正直な対応を気に入ってくださったのか、ティータイムに自宅へ呼んでくださるようになったんです。お気に入りの庭のことやご子息のことなど、ほとんどが雑談。でも、「もしかしたら、何か仕事につながるかも」と定期的に訪問していました。そんな関係が続いた、2年目の春のことです。いつものようにお話をしていると、ふと「実は私、カフェをやろうと思っているの」とおっしゃいました。それを聞いた瞬間、「私に手伝わせてください!」と立候補。さっそく出店候補地を調査して、リフォーム内容などを提案しました。結果的に物件の全面リフォームからガスの契約に至るまで、2年目としては破格の受注に成功したのです。
熱い想いは、きっと届く。
「点検業務から新しい仕事をこんなにつくるなんて、新人がなかなかできることじゃないよ」そう言って、上司は驚いていました。アフターサービスから新規受注につなげるのは、それくらい難しいことらしいのです。目の前のことにしっかりと向き合えば、結果はちゃんとついてくる。それは、私の自信につながりました。そんな私は今、次のステップへと挑戦の駒を進めています。さらなる成長を目指して「新規営業をさせてください」と上司に直談判。まだ範囲は狭いですが、ついに担当エリアを持って新規営業をさせていただけることになったんです。種火が大きな炎になっていくように、些細なきっかけから、成長のチャンスが広がっていく。待っているだけではダメ。仕事はこうやって自分で生み出すこともできるんだよということを、これから入ってくる後輩にも見せていきたいです。