イノベーションストーリー
CASE#02
前例のない新規プロジェクトを、3人で立ち上げるまで。


LPガスを主力とする会社が、前例のないオール電化拡販プロジェクトに挑む。
きっかけは、現場の小さな「困った」でした。今までになかったアイデアをかたちにしていく——。
会社の新たな柱はどう生まれたのか。3人の「クサノネイノベーター」たちの物語を語ってもらいました。
PROJECT MEMBER

くらしサポート販売部販売促進2課 課長
2011年入社
天野 あゆ美

くらしサポート販売部広域営業課
2014年入社
鈴木 竜也

くらしサポート販売部販売促進1課
2017年入社
岩井 裟央里
「オール電化商材なら、勝ち目がある」
新しい取り組みにかけた熱量

——なぜオール電化拡販プロジェクトを立ち上げることになったのでしょうか?
- 鈴木
当時の営業は、足で稼ぐスタイルが中心でした。そのため「営業担当者の負担を軽減しつつも、引き合いを獲得できる販促はできないか」と思い、Webを活用したプル型施策に挑戦したいと上司に相談しました。すると上司も同じことを考えていたようで、「それなら、商材はエコキュートがいいのでは」とご提案いただいたのがきっかけです。
エコキュートとは、ガスを使わずにお湯を沸かす電気給湯システムのことで、オール電化住宅にするために必要な機器の一つです。
一般的に、ガス給湯器が壊れたらガス会社に連絡しますが、エコキュートは家電量販店に相談すべきなのか、工務店なのかよくわからず、Webで検索する方も多い商材です。だからこそ、鈴与商事の知名度や老舗企業としての安心感、納得いただける価格を強みにすればお客様に選んでいただけると感じました。
——当時の鈴木さんは、どのような担当だったのでしょうか?
- 鈴木
当時は、販促企画、研修、器具購買などを担当していました。新商材の拡販も販促企画業務の一環なので、提案しました。鈴与商事は、やりたいことがあった際、「なぜやりたいのか」「どんな成果につながるのか」などをしっかりと伝えて承認されれば、年次に関係なく挑戦できる会社です。もちろん、新しい取り組みを進めるには社内の理解と承認が欠かせません。
今回は前例のないプロジェクトだったため、課長にもサポートいただきながら、関係者との対話を重ねて社内の承認を得ることができました。
——どのように解決されたのでしょうか?
- 鈴木
その都度、課題点を上司にヒアリングし、さまざまな方にアドバイスをいただきながら進めました。太陽光発電の営業をしていた際に、エコキュートが古くなって困っているお客様に出会ったことがありました。その経験も踏まえ、エコキュート単体での売り上げで考えずに、リフォームや太陽光発電などにも広がる可能性のある商材であることをしっかりと示したところ、上司に納得していただけました。
——岩井さんや天野さんは、このプロジェクトに関わることになると知ったとき、どう感じましたか?
- 岩井
正直、荷が重かったですね……。当時私は、ガスの新規獲得をサポートする業務を担当していました。鈴木さんが、社内承認を取得するために奮闘している姿を間近で見ていました。
だからこそ、承認がおりた後は、自分にできるか不安もありましたが、気を引き締めて取り組んでいこうと思いました。
- 天野
私は当時、販促企画やチラシの制作などをしていました。オール電化商材を扱うにあたり、Webで集客も行うという話になり、私がその担当に決まりました。新しいことをはじめるのは好きですし、面白そうだなと思っていましたね。とくに抵抗なく受け入れられました。

前例がないなら、
私たちでつくっていく

——商材を拡販する体制が整うまでの流れを教えてください。
- 鈴木
まず市場調査をしました。オール電化がどの程度普及しているか、エコキュートの出荷台数、買い替え需要がどれくらいあるかを確認しました。2003年頃から普及し始めたエコキュートが、15年から20年ほど経って買い替え時期を迎えている。タイミングとしてもチャンスがあるとわかりました。
- 岩井
私は全社展開の段階で、鈴木さんから業務を引き継ぎました。問い合わせをどこで受けるか、現場へどうつなぐかという体制づくりが必要でした。エコキュートのお問い合わせ対応は、もともと電気に関するお問い合わせを受け付けていた部署にお願いすることに。その対応フローや情報共有の仕組みを整えていきました。
またお客様に興味を持っていただくために、販促・広告チラシづくりも行いました。
——販促・広告チラシの制作で、気をつけたことは何ですか?
- 岩井
価格だけで勝負をしないことです。エコキュートの販売は、ネット専門業者のほか、工務店、住宅メーカーなど、さまざまな企業が手掛けています。そのため、安価なものから高価格設定の商品まであり、価格だけで勝負するのは難しいと感じました。
その代わり、鈴与商事だからできるサービスを前面に打ち出しました。その一つが「給湯仮設サービス」です。
エコキュートが故障してしまうと、お湯が使用できなくなります。そこで、小型のガスボンベと仮設用給湯器を設置し、一時的にガスを活用してお湯を使えるサービスをご用意しました。
交換までの間もお客様にご不便を感じてほしくない。そんな思いから生まれた、ガス会社だからこそできる仕組みです。
- 鈴木
給湯仮設サービスのアイデアは、上司が他社事例からアイデアを得て、みんなで実現したものです。お客様にとっては「お湯が出ない」という不安を解消できる。営業担当者にとっては提案の幅が広がる。そして会社にとっては、エコキュートだけでなくガス機器のご提案機会にもつながる。一つのサービスが、複数の価値を生み出す仕組みになっています。
——Web施策では、どのような工夫がありましたか。
- 天野
Web施策というと、Webだけで完結させるイメージがあるかもしれません。しかし私たちが大切にしていたのは、問い合わせを獲得することではなく、その先で営業担当者がお客様にしっかり価値を届けられることでした。
Webの数字を分析するだけでなく、現場の声も聞きながら改善を重ねていきました。営業担当者が動きやすく、お客様にもわかりやすい仕組みづくりを意識しましたね。
チラシは端的に内容が伝わるよう情報を絞り、Webではより詳しい情報を掲載し、それぞれの媒体の強みを生かすことを意識しました。
——もっとも苦労したことは何ですか?
- 鈴木
企画の承認がなかなか通らなかったことです。ガス会社がエコキュートを扱うことに対して、イメージしづらい部分があったのだと思います。エコキュート単体の利益だけでなく、太陽光発電やリフォームとのシナジー効果なども伝えたことで承認を得られました。
- 岩井
私は問い合わせ対応の体制づくりです。電話を受ける方々は、もともと機器販売の問い合わせを受けていたわけではありません。やらされている感が出ないよう、受け付けた問い合わせが、どれだけ成果につながったかを定期的にフィードバックするようにしました。
「どうしたらやりやすいですか」「何が困りますか」と率直に聞きながら、一緒に仕組みをつくっていきました。
今振り返ると、自分の知識だけで進めようとしなかったことが良かったのかもしれません。
- 天野
これまで鈴与商事では、足を使った営業がメインだったため、会社にWebマーケティングのノウハウはありませんでした。そこでセミナーに参加して学んだり、広告代理店の方に教えていただいたりしながら、少しずつ知識を身につけていきました。
鈴与商事には、失敗を責めず、解決方法を一緒に考えていく文化があります。だからこそ、挑戦を続けられたのだと思います。
——どのようなときに、やりがいを感じましたか?
- 岩井
しかし、エコキュートは販売実績が数値化してわかるので、上司から「これだけの価値がある取り組みだ」と伝えてもらえたときに、実感が湧きました。携われて、本当によかったと思っています。
- 天野
私も成果が見える化されたことに、やりがいを感じています。広告や記事作成など、さまざまな施策を行い、問い合わせがあり、成約につながる。いい結果に結びついたときは、とてもうれしいですね。
- 鈴木
現場の方からエコキュート販売に対して「これは広げた方がいい施策だ」と言ってもらえたときは、うれしかったですね。また販売実績を集計したときに、利益に貢献できていることが数字で見えた際は、自信にもつながりました。
今回のプロジェクトを推進したことで、プル型営業のフォーマットができました。営業の方から「問い合わせさえもらえれば、あとはお客様に最適な提案ができる。営業活動が以前より進めやすくなった。」と言っていただいたときも、やってよかったと思いましたね。

仮説があれば、挑戦もできる。
任せてくれるから、頑張れる

——エコキュートが定着商材になった今、当時を振り返ってどのように感じますか?
- 鈴木
多少苦労はありましたが、会社のためになるものをつくれたことはうれしいです。数字を残した企画に携われたことは、自分の自信になりました。
- 岩井
エコキュートの成功によって「仮説があり、稼げる見込みがあるなら挑戦させてもらえる」とわかったことは大きいです。
実際に、エコキュートの取り組みが軌道に乗った後も、より営業担当者が動きやすくなる仕組みづくりを続けています。
その一つが、LINEを活用した問い合わせ窓口です。お客様にとっては、電話よりLINEの方が気軽に相談しやすい場合もあります。そこで天野課長の発案で、問い合わせ窓口としてLINEを活用できないか検討しました。
その際も、企画担当だけで進めるのではなく、現場の営業担当者の意見を取り入れながら制度設計を進めていきました。
- 鈴木
当時私は販促企画の業務を経て、再び現場の営業を担当していたので、「どんな情報があれば対応しやすいか」といった相談を受けました。せっかく問い合わせが増えても、現場が対応しづらければ意味がありません。営業担当者が動きやすいよう、一緒に考えていました。
- 天野
アイデアや施策があれば、提案できる雰囲気がある会社です。そのなかで、いろいろな施策を試し結果を生んだことにより、自信につながりました。最初はわからないことだらけでしたが、試行錯誤を続けてきて、本当によかったと思います。
- 鈴木
ただこのプロジェクトは、私たちだけの成果ではありません。支えてくださったまわりの方々がいたからできたことです。
特に上司が「Webを活用した販促をやりたい」と考え、エコキュートに着目していたことがこの企画の出発点でした。私たちは、そのアイデアをかたちにしていった側です。
上司が種をまき、若手が挑戦し、次の世代へ引き継いでいく。このプロジェクトは、鈴与商事のそんな文化を象徴する取り組みだったのかもしれません。
——もし入社1年目の自分に声をかけるなら、何と言いますか?
- 鈴木
私は入社当初、実は希望していた部署ではなく、現在のガス事業に配属されました。正直、早く異動したいと思っていた時期もあります。でもそのなかで、やりがいのある仕事に出会えました。だから「まずは本気でやってみるといいよ」と言いたいです。本気で取り組めば、きっとその業務の面白さに気づくと思います。
- 岩井
若手のうちだけでなく、何年経ってもまわりのサポートはあります。だから安心して働いていい、と伝えたいです。課題があっても、一緒に考えてくれる上司や同僚がいます。
- 天野
私は管理部門から今の部署に異動し、まったく違う仕事に戸惑いました。でも、やってみると面白さがありました。「変化も楽しんでみたらいいよ」と伝えたいですね。
——これまでを振り返って、鈴与商事で働く面白さは何だと感じますか?
- 鈴木
フィールドがたくさんあることですね。商材も、お客様も、取引先も幅広い。いろいろな経験ができるので、飽きることがありません。
- 岩井
ちゃんと仮説があれば、やってみたいことにトライさせてくれる環境がある点ですね。小さな柱でもいいから、新しいプロジェクトの柱をつくっていく。そういう挑戦ができるところが面白さだと思います。
そして取り組みが社内に大きな影響を与えれば、高く評価されます。実際に今回のプロジェクトも、社内表彰制度に推薦していただき、受賞しました。会社の新しい柱を生み出した挑戦として認められ、とてもうれしかったです。上長をはじめ、現場で対応している営業担当者など皆さんの働きがあってこその成果だと感じています。
- 天野
あれは本当にうれしかったです。ちなみに、私はある程度裁量を持って任せてもらえる風土があるところも、いいなと思っています。新しいことにチャレンジしたい人、試行錯誤しながらかたちにしていくことに面白さを感じられる人には、合っている会社だと思います。






































